台北のリユースカップとマイカップの状況
はじめに
台北はプラスチック削減の先進都市として知られていて、コンビニでリユースカップが使われているニュースを見ました。そこで、昨年(2024年4月)、台北に行ってコンビニのファミリーマートとセブンイレブンでリユースカップがないか調べましたが、リユースカップが見つかりませんでした。
そこで、リユースカップに取り組んでいた台湾のグリーンピースに、今年(2025年4月)、リユースカップの取り扱い店舗を聞きました。それによると、ファミリーマートとセブンイレブンにはリユースカップ(台湾では循環杯と呼んでいます)取り扱い店舗にはそれぞれ別の標識があります。また、セブンイレブンはOPEN POINTアプリで所在地が分かると教えてもらいました。しかしながら、OPEN POINTアプリは台湾の電話番号がないとアカウント登録できませんでした。



台湾のファミリーマート及びセブンイレブンの循環杯取り扱い店舗はホームページに掲載されています。
調査
調査日:2025年4月15日~16日
ファミリーマート(台湾では全家と呼ぶ)
善導寺駅近くの全家富邦店、雙連駅近くの全家東南店、店名不明の全家店
循環杯の標識が店舗入り口近くの上部にありましたが、循環杯はありませんでした。
全家南陽店
循環杯の標識あり、循環杯取り扱いありました。
循環杯の借用には台湾の電話番号が必要。循環杯のQR コードをスマホで読み込んで電話するらしい。




ファミリーマートの循環杯は、ポリプロピレン製で、容量が480ml、-10~120度Cです。
台湾のファミリーマートの循環杯は当初10%の400店舗で循環杯の取り扱いを始めました(グリーンピース日本のHP)。しかし、2025年4月には実際の取り扱い店舗は、取り扱い4店舗中1店舗だけでした。
循環杯取り扱いを始めたけれど、借りてが少ないので、店舗オーナーの判断で取り扱いをやめた。循環杯の標識があるのはそのなごりではないかと私は推測しています。
セブンイレブン
7-ELEVEN千成店、7-ELEVEN中航店、店名不明店
循環杯の標識が店舗の外から見えるけれど、取り扱いはありませんでした。。
7-ELEVEN鑫公信店
循環杯の標識はありませんでしたが、循環杯取り扱いがありました。OPEN POINTアプリで借りるのですが、アカウント登録に台湾の電話番号必要なため、アプリが使用できませんでした。7-ELEVEN台湾のホームページによると、デポジットリファウンド制です。


7-ELEVENのOPEN iECO循環杯は材質がポリプロピレンで、耐熱120度Cです。
2025年4月循環杯取り扱い店舗は4店舗中1店舗だけでした。
北車店(台北車駅地下)は、地下の店舗は店名が不明で循環杯取り扱い標識はありませんでしたので、循環杯取り扱い店舗かどうか分かりませんでした。
政府の循環杯取り扱い店舗の2024年の目標が10%で、2025年4月では目標通りに行ったとしても約10%と思われます。
循環杯に対する意識
2023年のグリーンピース台湾による循環杯に関する調査は、2023年8月15日に発表されました。調査結果によると、回答者の約96%が循環カップサービスを認知しているものの、実際に利用したことがある人は約31%にとどまっています。利用しない主な理由としては、「衛生面の懸念」(約72%)や「価格差がなく、インセンティブがない」(約20%)が挙げられています。
出典:https://www.greenpeace.org/taiwan/press/37175/綠色和平民調僅3成消費者用過循環杯%E3%80%80兩大解方呼/
循環杯プロジェクトのグループ
ファミリーマートの循環杯は、ファミリーマート、ライルリッチ、OKmart、トップナイフなどの業者は共同で対応しています。さらにチェーンコーヒーCama、朝食店Q Burger、手搖飲鮮茶道、飲食店Let’s CaféPLUSの指定店を含み、開放式、ルートをまたいでいます。
セブンイレブンはスターバックスと循環杯プロジェクトを行っています。
マイカップ
マイカップは台湾では自備飲料杯・自帯環境杯と言います。環境保護署の規定によりマイカップは5元(約23円(調査時点))割引されます。そして、循環杯取り扱い店舗だけでなく、チェーン飲料店、チェーンコンビニ、チェーンファストフード店及びチェーンスーパーで割引されていて、マイカップで割引を受ける機会が格段に多いです。



政府のマイカップ割引制度が開始される前にマイボトルを持ち込む人は6%だったのに対し、開始した7月1日以降は30%と約5倍になったという統計があります。
出典:循環杯乾淨 借用免驚! 清潔有規範 借用請放心 環保署訂定「循環(外借)杯良好服務指引」https://enews.moenv.gov.tw/Page/3B3C62C78849F32F/c58a6796-87ff-432a-8c60-780a4fc2dae0
まとめ
コンビニの循環杯の取り扱い店舗が、2025年4月は目標で約10%、さらに実際はそれより少ない状況が分かりました(調査では1/4)。
特にセブンイレブンの循環杯の借りる手間があります。
循環杯はポリプロピレン製であり、環境に意識が高い人は安全性からステンレスのマイカップの方が良いのではないでしょうか?
マイカップは割引がありますが、循環杯は割引がありませんので、客にインセンティブが働かないです。
循環杯は洗浄、運搬費用をコンビニエンスストアのブランドオーナーが主に負担しているようです。店舗オーナーは金銭的負担はなく、貸し出し、返却の手間だけのようです。
循環杯の借用には台湾の電話番号が必要で、外国人旅行者は借用できません。
参考文献:
ファミリーマート台湾のホームページ、セブンイレブン台湾のホームページ、グリーンピース台湾のホームページ、グリーンピース日本のホームページ
セブンイレブンの標識:https://www.7-11.com.tw/special/article_new.aspx
行政院環境保護署回收基管會:
https://enews.moenv.gov.tw/page/3b3c62c78849f32f/655b2f73-3cfa-4ff3-9f71-f192afe029a1