マイクロプラスチックは、長さ5ミリメートル以下の小さなプラスチック粒子で、川、海だけで無く、空気中や陸上のあらゆるところを循環して存在しています。
農地には、プラスチックフィルムやプラスチック被覆肥料などが使われ、それらがマイクロプラスチックになる可能性があります。また、灌漑農業では灌漑水に、マイクロプラスチックが入っている家庭排水が混じっていると、農地にマイクロプラスチックが供給されます。また、マイクロプラスチックが入っている下水汚泥を堆肥にして農地に施用することで、農地にマイクロプラスチックが導入されます。
中国科学院の科学者は、ポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートのマイクロプラスチックを使って、レタス、小麦を栽培ししました。科学者たちは50ナノメートルのマイクロプラスチックが植物の側根の亀裂を通過することは知ってましたが、2マイクロメートルまでの球状のマイクロプラスチックが側根から茎に浸透している証拠を得ました。マイクロプラスチックはその後、根から芽に輸送されました。1)、2)
一方、イタリアの研究者は、スーパーマーケットなどで購入した野菜と果物(ニンジン、レタス、ブロッコリー、ジャガイモ、リンゴ、ナシ)の10μm未満のマイクロプラスチックを調べました。その結果、それらからマイクロプラスチックを発見しました。特に、果物ではリンゴが最も汚染されていて、野菜ではニンジンが最も汚染されていました。マイクロプラスチックのサイズが最も小さかったのはニンジンの1.51μmで、最も大きかったのはレタスの2.52μmでした。3)
マイクロプラスチックの健康への影響が懸念されます。欧州では意図的に加えられたマイクロプラスチックを規制しようとしています。4)
参考文献:
1) Effective uptake of submicrometre plastics by crop plants via a crack-entry mode,
https://www.nature.com/articles/s41893-020-0567-9
2)Research: Crop Plants Are Taking Up Microplastics,
https://english.cas.cn/newsroom/research_news/earth/202007/t20200714_240562.shtml
3) Micro- and nano-plastics in edible fruit and vegetables. The first diet risks assessment for the general population,
https://doi.org/10.1016/j.envres.2020.109677
4) Microplastics,