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減らそうプラスチックの会

プラスチックから溶出する化学物質

 内分泌学会とIPEN (国際汚染物質除去ネットワーク) による報告書「プラスチック、EDCs、および健康」などによると、EDCは内分泌(ホルモン)かく乱物質で、環境ホルモンとも呼ばれ、がん、糖尿病、生殖障害、発育中の胎児や小児の神経障害(発達障害を含む)を引き起こす可能性があります。

 プラスチックから溶出して健康を脅かす既知のEDC(環境ホルモン)には、ビスフェノールA(BPA)およびビスフェノール類、臭素系難燃剤ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)、フタル酸エステル類、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質 (PFAS)、ダイオキシン、紫外線(UV )吸収剤、鉛やカドミウムなどの有毒金属があります。EDC (環境ホルモン)を含むプラスチックは、食品の包装や容器だけでなく、包装、建築、床材、食品製造および包装、調理器具、ヘルスケア、子供のおもちゃ、レジャー用品、家具、家電、繊維、自動車、化粧品、農業で使われるマルチなどに広く使用されています。

 マイクロプラスチックにも同様の化学物質が含まれており、マイクロプラスチックから浸出して人々を危険にさらす可能性があります。また、海水や堆積物などの周囲環境からのPCBなどの有毒化学物質を吸着して蓄積し、有毒化合物の運び屋としても機能します。

 バイオプラスチック/生分解性プラスチックは、プラスチックよりも環境に優しいと宣伝されていますが、従来のプラスチックと同様の化学物質が含まれており、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)もあります。プラスチックが生分解すると化学物質が放出されます。

 プラスチックのリサイクルでは、このような化学物質が増えるとの報告もあります。

 プラスチック中の化学物質の溶出は、通常の状態でも起きますが、温度が高かったり、時間が長かったりするほどしやすくなりますので、プラスチック容器に入れて電子レンジで加熱したり、長く放置したりするのは避けた方が良いです。また、できるだけプラスチックではなく、金属、ガラス、陶磁器、木などを使ってプラスチックフリーの生活をしてください。

参考文献

Plastics pose threat to human health

https://www.endocrine.org/news-and-advocacy/news-room/2020/plastics-pose-threat-to-human-health

Everyday Plastics Are Leaching Hazardous Chemicals

https://www.technologynetworks.com/applied-sciences/news/everyday-plastics-are-leaching-hazardous-chemicals-344122

プラスチックの環境ホルモン

http://environmental-neuroscience.info/plastics/entry33.html

Evaluation of chemicals leached from PET and recycled PET containers into beverages

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36521108/