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減らそうプラスチックの会

マイクロプラスチック精巣と精液から検出、男性の生殖能力への脅威

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 過去50年間で、精子の数と質が日本を含め世界的に著しく低下し、男性の生殖能力が低下してきていることから、内分泌かく乱物質などの可能性について研究が進められてきました。同時に、マイクロプラスチックやナノプラスチックがどこにでも存在し、それらがヒトの血液循環に伴って体全体に分布し、多くのの臓器に影響を与えていることから、ヒトの生殖へ影響について心配されています。

 北京大学病院の研究チームによると、ヒトの精巣6サンプルと精液30サンプルを採取し、熱分解ガスクロマトグラフィー/質量分析法とレーザー直接赤外分光法の両方を用いてマイクロプラスチックを検出しました。その結果、マイクロプラスチックは精巣と精液の両方から検出されました。精巣中のマイクロプラスチックはポリスチレンが67.7%を占め、精液ではポリエチレンとポリ塩化ビニルが優勢でした。精液から検出された断片、繊維、フィルムに比べ、精巣では断片が主な形状でした。これらのマイクロプラスチックの大きさは22μmから287μmで、精液と精巣ではほとんど(67%と80.6%)が20-100μmの範囲にありました。

 また、ニューメキシコ大学の研究チームのプレプリントによると熱分解-ガスクロマトグラフィー/質量分析計で47匹のイヌと23人のヒトの精巣から12種類のマイクロナノプラスチックを検出しました。

 別の研究者たちは、動物実験で、マイクロプラスチックが精子数を減少させ、精子の異常やホルモン障害を引き起こすことを報告しています。

 マイクロプラスチックは、主に食物や水の摂取や呼吸によって体内に侵入しています。

 対策として、プラスチックをできるだけ使用せず、プラスチックフリーの生活をして、マイクロプラスチックの摂取を避けることが上げられます。

参考文献

Zhao Q, Zhu L, Weng J, et al. Detection and characterization of microplastics in the human testis and semen. Sci Total Environ 2023; 877: 162713.

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969723013293

Unveiling the Hidden Threat: Microplastic Presence in Dog and Human Testis and its Potential Association with Sperm Count

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4716756

Microplastics: A Threat for Male Fertility Int J Environ Res Public Health. 2021 Mar; 18(5): 2392.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7967748

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