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減らそうプラスチックの会

テイクアウト食品でマイクロプラスチック摂取増加 肥満リスクや腸内細菌との関連を確認

目次

マイクロプラスチックが腸内環境を変えている可能性

ポイント

  • テイクアウト食品を週14回以上利用する学生は、便の中のマイクロプラスチック量が多かった。
  • マイクロプラスチック量が多い人ほど、BMI(体格指数)が高い傾向が見られた。
  • 内臓脂肪面積や体脂肪率も高かった。
  • 腸内では肥満と関連する細菌や病原性真菌(カビ)が増加していた。
  • テイクアウト食品やペットボトル飲料、包装食品の利用が、マイクロプラスチック摂取を増やしている可能性がある。

テイクアウト生活が「見えないプラスチック」を体内に運んでいる?

忙しい毎日の中で、テイクアウトやフードデリバリーを利用する人は少なくありません。しかし、その便利さの裏で、私たちは知らないうちに大量のマイクロプラスチックを体内に取り込んでいるかもしれません。

中国の研究チームは、18~30歳の大学生121人を対象に、テイクアウト食品の利用頻度とマイクロプラスチック摂取量、腸内環境、そして肥満との関係を調べました。

参加者は、

  • テイクアウト食品を週14回以上利用する「高曝露群」
  • 週0~7回利用する「低曝露群」

の2つのグループに分けられました。

その結果、テイクアウト食品を頻繁に利用する学生ほど、便の中のマイクロプラスチック量が多いことが分かりました。

マイクロプラスチックが多い人ほど肥満傾向

研究では、高曝露群の学生は低曝露群に比べて、

  • BMI(体格指数)
  • 内臓脂肪面積
  • 体脂肪率

がいずれも高いことが確認されました。

統計解析の結果でも、便中のマイクロプラスチック量が多いほどBMIが高くなる傾向が認められました。

つまり、マイクロプラスチックへの曝露が多い人ほど、肥満になりやすい可能性が示されたのです。

もちろん、この研究だけで「マイクロプラスチックが肥満の原因である」と断定はできません。しかし、両者の間に無視できない関連があることが明らかになりました。

腸内細菌のバランスが変化していた

私たちの腸内には100兆個以上の微生物が住み、消化や免疫、エネルギー代謝を支えています。

ところが、マイクロプラスチック曝露が多い学生の腸内では、

  • Veillonella(ベイロネラ属)
  • Alistipes(アリスティペス属)

といった、肥満や代謝異常との関連が報告されている細菌が増えていました。

さらに、病原性真菌(カビ)の仲間であるDothideomycetesも増加していました。

一方で、

  • Faecalibacterium
  • Coprococcus

といった、腸の健康維持に重要な「酪酸産生菌」は減少していました。

酪酸は腸の細胞のエネルギー源となり、炎症を抑える働きがあるため、その減少は腸内環境の悪化につながる可能性があります。

腸内の代謝機能にも異変

便に含まれる代謝産物を分析したところ、マイクロプラスチック曝露が多い人では、

  • バンコマイシン耐性に関わる経路
  • セレン化合物代謝
  • 薬物代謝経路

などの活動が高まっていました。

これは、マイクロプラスチックが単に体内を通過するだけでなく、腸内での微生物の働きや代謝そのものを変化させている可能性を示しています。

プラスチック容器から放出されるマイクロプラスチック

近年の研究では、プラスチック製のテイクアウト容器は、熱い料理や飲み物に接すると大量のマイクロプラスチック粒子を放出することが報告されています。

今回の調査でも、高曝露群の学生はテイクアウト食品だけでなく、

  • ペットボトル飲料
  • 包装された加工食品

を利用する頻度も高い傾向がありました。

研究者らは、こうした生活習慣がマイクロプラスチック摂取量を増やしている可能性があると考えています。

私たちの体内にも広がるマイクロプラスチック

近年、マイクロプラスチックは人の便だけでなく、

  • 血液
  • 胎盤
  • 新生児の胎便

などからも見つかっています。

小さな粒子の一部は細胞に入り込み、炎症や酸化ストレスを引き起こす可能性があることも報告されています。

そのため、世界中で健康への影響に関する研究が進められています。

研究者らの結論

研究チームは、テイクアウト食品を頻繁に利用する若者では、マイクロプラスチックへの曝露量が増え、その結果として腸内細菌や代謝機能が変化し、肥満リスクが高まる可能性があると結論づけています。

今回の研究は因果関係を証明したものではありませんが、「便利さの代償」として私たちがどれほど多くのマイクロプラスチックを取り込んでいるのかを考えさせる結果となりました。

テイクアウトや使い捨てプラスチック容器への依存を減らすことは、プラスチックごみ削減だけでなく、自分自身の健康を守ることにもつながるのかもしれません。

文献

Hong Y, Feng Y, Yan T, Zhang L, Zhao Q, Zhao Q, Huang J, Huang S, Zhang Y. Take-out food enhances the risk of MPs ingestion and obesity, altering the gut microbiome in young adults. J Hazard Mater. 2024;476:135125. doi:10.1016/j.jhazmat.2024.135125.

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