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減らそうプラスチックの会

バングラデシュ、プラスチックEPR制度を法制化

抽象的なプラスチックの機械選別(MRF)のリサイクル施設

減らそうプラスチックの会 編集部|2026年8月26日公開

バングラデシュ環境・森林・気候変動省は2026年8月13日、プラスチック製品の生産者に廃棄後の回収・リサイクル責任を課す「拡大生産者責任(EPR)ガイドライン」を官報に公布しました。製造業者・輸入業者・ブランドオーナーを対象に、段階的な登録義務と数値目標を設定する制度です。

目次
  • バングラデシュ環境・森林・気候変動省が2026年8月13日、EPR(拡大生産者責任)ガイドラインを官報公布しました。
  • プラスチック製品を5分類し、製造業者・輸入業者・ブランドオーナーに登録と回収・リサイクル義務を課します。
  • 対象事業者は規模に応じて2年ごとに段階的にリスト化され、登録は6か月以内に義務化されます。
  • 回収・リサイクル目標は初期2年で回収15%・リサイクル7.5%、以降は回収30%・リサイクル15%に引き上げられます。
  • 目標超過分は「プラスチッククレジット」として売却できる仕組みも導入されます。

対象となる事業者と製品

同省のプレスリリースによると、今回のガイドラインはバングラデシュ国内で製造・使用される再生可能・非再生可能プラスチック製品全般と、製造業者・輸入業者・ブランドオーナーを対象にしています。ただし、輸出注文のみに基づいて製品を生産する輸出専業の事業所は対象外とされました。

対象製品は、硬質プラスチック、軟質プラスチック、発泡スチロール(EPS)、政府がまだ禁止していない使い捨てプラスチック、そして生理用品・おむつ・たばこフィルターなどを含む「その他」の5分類に区分されています。

事業者登録のスケジュール

環境局(DoE)は「義務対象事業者」を段階的にリスト化するとしており、大規模事業者は最初の2年間、中規模事業者は次の2年間、小規模事業者は5年目にそれぞれ登録対象となる予定です。リスト化された事業者は6か月以内の登録が義務付けられ、登録の有効期間は3年間とされています。

回収・リサイクルの数値目標とプラスチッククレジット

回収・リサイクルの数値目標については、最初の2年間は回収15%・リサイクル7.5%、それ以降は回収30%・リサイクル15%に引き上げられるとしています。同省は、これらの目標値は3年間の運用実績を踏まえ、関係者との協議を経て見直す方針を示しました。

目標を上回って回収した分については、政府が承認する仕組みを通じて他組織や国際市場に「プラスチッククレジット」として売却できるとされています。

報告義務と違反時の対応

対象事業者には年次の進捗報告書提出が義務付けられ、これを怠った場合は登録が更新されないとしています。環境局は定期的な検査・監査・情報検証を行うとしており、虚偽情報の提出があった場合には登録停止・取消などの法的措置を取る可能性があるとしています。

制度に対する省の期待

同省はこの制度の運用により、プラスチックの生産者・輸入業者・ブランドオーナーが製品のライフサイクル後の管理に直接責任を持つようになり、廃棄物の回収・リサイクル基盤の拡大、インフォーマル回収セクター(法制度の枠外で活動する非公式な廃棄物回収従事者)の公式化、循環経済の発展に寄与すると期待を示しています。

拡大生産者責任は、プラスチック汚染対策として世界的に導入が広がっている考え方であり、生産者自身に廃棄後の管理コストと責任を負わせることで、回収・リサイクル体制の整備を後押しする狙いがあります。バングラデシュでは廃棄物管理の担い手として多くのインフォーマル回収従事者が存在するとされ、今回の制度が彼らの立場をどう公式な仕組みに組み込んでいくかは、途上国における循環経済づくりの一つのモデルケースとなる可能性があります。

日本では容器包装リサイクル法などを通じてすでにEPR的な枠組みが存在しますが、バングラデシュのように達成度に応じて対象事業者を段階的に拡大し、数値目標を明確化し、超過達成分を「プラスチッククレジット」として取引可能にするという設計は、日本の制度設計を考えるうえでも参考になる事例といえます。

今回の発表は制度が公布された段階のものであり、実際の登録状況や回収・リサイクル実績についてのデータはまだ示されていません。目標達成の可否は、今後の登録の進み具合や環境局による検査・監査体制の実効性に左右されると見込まれます。

また、プラスチッククレジットの算定方法や第三者による検証の有無など、制度の詳細な運用ルールについては今回の発表だけでは明らかになっていません。今後、環境局による具体的な運用指針の公表や、初年度の登録実績の公表が予定されていると考えられ、その内容によって制度の実効性がより具体的に見えてくる見通しです。

Q. EPR(拡大生産者責任)とは何ですか? A. 製品を作った企業が、その製品が廃棄された後の回収やリサイクルについても一定の責任を負うという考え方です。生産者に廃棄後の管理を促すことで、リサイクル体制の整備を後押しする狙いがあります。

Q. 日本にも同様の制度はありますか? A. 日本では容器包装リサイクル法など、EPRの考え方を取り入れた既存の制度があります。バングラデシュの今回の制度は、対象事業者の段階的拡大や数値目標の明確化といった点で独自の設計となっています。

バングラデシュ環境・森林・気候変動省は2026年8月13日、プラスチック製品の生産者に回収・リサイクル責任を課すEPRガイドラインを官報公布しました。対象事業者は規模別に段階的に登録が義務付けられ、回収・リサイクルの数値目標も年次で引き上げられます。制度は公布されたばかりであり、今後の登録状況や運用実績が制度の実効性を左右する見通しです。生産者責任を軸にした循環経済づくりの試みとして、今後の展開が注目されます。

プラスチック製品を選ぶ際に、リサイクルしやすい素材か、企業がどのような回収の取り組みをしているかに目を向けてみるという選択肢があります。海外の制度の動きを知ることも、私たち自身の消費行動を見直すきっかけになります。

【拡大生産者責任(EPR)】製品を製造・販売した企業が、その製品が廃棄された後の回収やリサイクルについても一定の責任を負うとする考え方。

【プラスチッククレジット】目標を上回って回収・リサイクルされたプラスチック量を、証書のような形で他の組織や市場に売買できるようにする仕組み。

【インフォーマル回収セクター】法制度の枠外で個人や小規模な事業者が行っている、非公式な廃棄物回収・リサイクル活動のこと。

【発表資料】

  • バングラデシュ環境・森林・気候変動省
  • 「EPR guidelines on plastic waste management issued」
  • Bangladesh Sangbad Sangstha(BSS、国営通信社)
  • 2026年8月20日
  • URL:https://www.bssnews.net/news/416463

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