投稿者:減らそうプラスチックの会 編集部 2026年7月24日公開
欧州連合(EU)は「サーキュラーエコノミー法(Circular Economy Act)」を2026年に採択する予定です。この法律は、再生資源の域内市場統一を目指すものです。あわせて、循環型経済の推進も目指しています。欧州委員会は、リサイクル材の供給拡大を掲げています。同時に、需要の拡大も目指すとしています。目標は、2030年までに循環経済分野で世界をリードすることです。
この記事のポイント
- 欧州委員会は「サーキュラーエコノミー法」を2026年に採択する予定です。
- 目的は、リサイクル資源(二次原材料)の単一市場を域内に構築することです。
- 欧州の「循環率」は現在約12%です。この数値を2030年までに24%へ倍増させる目標があります。
- 2025年8月から一般向けの意見公募が行われました。あわせて、若者を対象とした「ユースチェック」も実施されました。
- この法律は、2020年策定の「第2次循環経済行動計画」を土台としています。
今回発表された内容
リサイクル材の単一市場化という目標
欧州委員会は、法律の目的を発表しています。まず、リサイクル材の単一市場を域内に確立するとしています。そのうえで、質の高い再生材料の供給を増やすとしています。同時に、域内での需要喚起も目的だとしています。この取り組みは「競争力コンパス」の目標達成にも貢献するとしています。この目標とは、EUを2030年までに世界のリーダーにするというものです。
循環率24%という数値目標
循環経済の進み具合を測る指標が「循環率」です。これは、使用する資源のうちリサイクルや再利用に回された割合を示します。欧州委員会によると、現在の欧州の循環率は約12%です。この数値を、2030年までに24%へ倍増させることが目標です。この目標は「クリーン産業ディール」の一部として掲げられています。
意見公募とユースチェックの実施
法案づくりの一環として、欧州委員会は2025年8月に動きました。一般向けの意見公募を開始したと発表しています。あわせて、若者にも意見表明を呼びかけました。これは「ユースチェック」という仕組みの一環です。ユースチェックとは、新しいEU法が若者に与える影響を評価する取り組みです。
このユースチェックは、オンラインでの意見募集として実施されました。その結果概要は、すでに公開されています。さらに2026年4月には、動きがありました。「欧州循環経済ステークホルダー・プラットフォーム」の年次会議です。この場で、若者向けのセッションが設けられました。ロスワル欧州委員も出席したと発表されています。
第2次循環経済行動計画との関係
欧州委員会は、法律の位置づけも説明しています。この法律は、2020年策定の「第2次循環経済行動計画」が基礎です。そのうえで、既存の施策を強化・拡大するとしています。これにより、資源効率の高い経済への移行を加速するとしています。あわせて、廃棄物の少ない気候中立型の経済も目指すとしています。
なぜ重要なのか(日本への示唆を含む)
サーキュラーエコノミー法は、資源循環政策の転換点になり得ます。EU域内で、リサイクル材の流通と需要を制度的に後押しするからです。また、循環率の数値目標も重要です。廃棄物の削減と資源の有効活用を、同時に進める指針となるためです。
日本においても、資源循環の推進は共通の課題です。特に、プラスチック分野ではこれが当てはまります。EUは、リサイクル材の供給と需要を、単一市場という形で結びつけようとしています。この取り組みは、参考事例となり得ます。また、若者の意見を政策に組み込む「ユースチェック」も注目されます。次世代を巻き込んだ政策づくりの一例だからです。
今後の課題と見通し(注意点・限界を含む)
サーキュラーエコノミー法は、2026年中の採択が見込まれています。ただし、具体的な条文の詳細は、現時点では明らかにされていません。今後は、意見公募やユースチェックの声が注目されます。これらが、どう法案に反映されるかが焦点です。さらに、循環率24%の達成方法にも関心が集まります。法案の正式な内容が公表される中で、明らかになっていく可能性があります。
よくある質問
Q. 「循環率」とは何ですか? A. 使用する資源のうち、リサイクルや再利用に回された割合を示す指標です。欧州委員会によると、現在の欧州の循環率は約12%とされています。
Q. サーキュラーエコノミー法はいつ採択される予定ですか? A. 欧州委員会の発表によると、2026年中の採択が見込まれています。
まとめ
欧州委員会は「サーキュラーエコノミー法」の採択を発表しました。時期は2026年の見込みです。この法律は、リサイクル材の単一市場づくりを柱としています。背景には、循環率の数値目標があります。欧州の循環率を、2030年までに12%から24%へ倍増させる目標です。法案づくりでは、2025年8月からの意見公募も行われました。あわせて「ユースチェック」も実施されました。この法律は、2020年の第2次循環経済行動計画を土台としています。そのうえで、資源効率の高い経済への移行を後押しするものです。
私たちにできること
EUの制度づくりは、遠い話に見えるかもしれません。しかし、リサイクル素材の製品を選ぶことも、資源循環を後押しする一歩になります。
用語解説
【サーキュラーエコノミー(循環経済)】資源を一度使って廃棄せず、リサイクルや再利用で繰り返し活用する経済のあり方。
【循環率(サーキュラリティ・レート)】使用する資源のうち、リサイクルや再利用に回された割合を示す指標。
【二次原材料】一度使用された後にリサイクルされ、再び原材料として利用される資源のこと。
情報源・参考資料
【発表資料】 ・欧州委員会「Circular Economy」政策ページ 欧州委員会 https://environment.ec.europa.eu/strategy/circular-economy_en
・欧州委員会「Competitiveness Compass」プレスリリース 欧州委員会 https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_339
・欧州委員会「Clean Industrial Deal」政策ページ 欧州委員会 https://commission.europa.eu/topics/eu-competitiveness/clean-industrial-deal_en
・「Commission launches consultation on the upcoming Circular Economy Act」 欧州委員会、2025年8月 https://environment.ec.europa.eu/news/commission-launches-consultation-upcoming-circular-economy-act-2025-08-01_en
・「Young voices wanted: help shape the Circular Economy Act」 欧州委員会、2026年3月 https://environment.ec.europa.eu/news/young-voices-wanted-help-shape-circular-economy-act-2026-03-23_en
・「Summary: Circular Economy Act Youth Consultation」 欧州委員会 https://environment.ec.europa.eu/publications/summary-circular-economy-act-youth-consultation_en
・「Youth voices help shape circular future at annual conference」 欧州委員会、2026年4月 https://environment.ec.europa.eu/news/youth-voices-help-shape-circular-future-annual-conference-2026-04-23_en
・「A new Circular Economy Action Plan」(第2次循環経済行動計画、COM(2020) 98 final) 欧州委員会、2020年3月 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?qid=1583933814386&uri=COM:2020:98:FIN

