MENU

減らそうプラスチックの会

経産省、容器包装の再生プラスチック利用計画ガイドラインを公表

再生容器包装

投稿者: 減らそうプラスチックの会 編集部 2026年7月31日公開

経済産業省は2026年7月、新しいガイドラインを公表しました。対象は、プラスチック製容器包装を製造・販売する事業者です。プラスチック製容器包装とは、食品や日用品などを入れる容器や袋のことです。再生プラスチックの利用計画の作成と、その定期報告について定めています。再生プラスチックとは、使用済みのプラスチックをリサイクルした素材のことです。対象となるのは、生産量または輸入販売量が年間1万トンを超える事業者です。脱炭素化に向けて、再生資源の活用を後押しする狙いがあります。脱炭素化とは、二酸化炭素の排出を減らす取り組みのことです。国内の資源循環を進めるうえで、注目される動きです。資源循環とは、資源を廃棄せず繰り返し利用する仕組みのことです。

目次
  • 経済産業省が2026年7月、プラスチック製容器包装に関する新しいガイドラインを公表しました。
  • 対象は、容器包装の生産量または輸入販売量が年間1万トンを超える事業者です。
  • 対象事業者は、再生プラスチックの利用計画(5年以内の目標)を作成し、実績を毎年報告する必要があります。
  • 初回の計画提出は2027年9月末日まで、初回の定期報告は2028年9月末日までが期限とされています。
  • 飲食料品や医薬品などの容器包装は、対象から除外されています。

経済産業省は、今回のガイドラインを公表しました。これは、脱炭素化再生資源利用促進製品の指定にあわせたものです。これは、脱炭素化に役立つ再生資源を使うことが求められる製品です。国が指定したものです。対象となるのは、プラスチック製容器包装を製造・販売する事業者です。事業者が守るべき再生資源利用のルールを、具体的に明確化したとしています。

対象となる事業者

対象となるのは、容器包装の生産量または輸入販売量が、1万トンを超える事業者です。生産量には、発注して製造させたものも含みます。輸入販売量は、自ら輸入したものの販売分に限られます。重量は、容器包装のみで計算します。該当するかどうかは、2カ年度前の実績値をもとに判断するとしています。

また、取引形態に応じて3つの区分が設けられています。1つ目は「製造事業者」で、実際に容器包装を作る会社を指します。2つ目は「製造発注事業者」で、作ることを依頼する側の会社です。3つ目は「輸入販売事業者」で、海外から輸入して販売する会社です。自社で製造していなくても、発注元として対象になる場合がある点が特徴です。たとえば、小売業者が自社ブランド(PB)の商品を持っているとします。その容器包装を外部に発注している場合です。PBとは、小売業者が独自に企画する商品のことです。この場合、その小売業者自身が製造発注事業者として扱われます。

利用計画と定期報告の内容

対象事業者には、3つの区分について目標設定が求められます。1つ目は、自ら製造する製品についての目標です。2つ目は、発注して製造させる製品についての目標です。3つ目は、自ら輸入して販売する製品についての目標です。いずれも、5年以内の再生プラスチック利用量・利用率が対象となります。

目標は、既に社内計画がある場合はそれに準拠します。社内計画がない場合は、実現可能性のある水準を設定するよう求めています。なお、既に取り組みが進んでいる場合は、現状維持を目標としてもよいとされています。

定期報告では、直近で算出可能な事業年度の実績値を報告します。前年度から改善できなかった場合は、その理由の記載が必要です。ただし、既存の目標を達成している場合は、理由の記載は不要とされています。

対象となる容器包装の範囲

対象となるのは、主にプラスチック製の容器および包装です。中身の商品が費消・分離された際に、不要になるものが該当します。飲食料品や医薬品、医療機器などの容器包装は、対象から除外されるとしています。ただし、PETボトルは除外されず、対象に含まれます。

このガイドラインには、いくつかの目的が位置づけられています。1つは、二酸化炭素排出量の多い原材料産業における脱炭素化の実現です。この脱炭素化の取り組みは、GXとも呼ばれます。GXとは、グリーントランスフォーメーションの略です。経済活動を、二酸化炭素の少ない仕組みに変えていく、政府の取り組みを指します。もう1つは、海外への依存度が高い資源について、持続可能なサプライチェーンを築くことです。サプライチェーンとは、原材料の調達から製品が届くまでの一連の流れのことです。さらに、国内での資源循環を促進する狙いもあります。

日本国内では、使用済みプラスチックが十分に再資源化されていないケースがあります。海外に流出している例もあるとされています。そのため、今回のルール整備には意味があります。容器包装分野の再生プラスチック利用拡大を、制度面から後押しするものといえます。対象事業者にとっては、自社の事業区分を確認する必要があります。あわせて、利用計画や報告体制の整備も求められることになります。

OEM製造事業者への特例

一方で、対応が難しいケースも指摘されています。たとえば、OEM製造事業者です。OEM製造事業者とは、ブランド側の指示で製品を作る会社のことです。ブランドオーナーから原材料を支給される場合があります。ブランドオーナーとは、商品のブランドを持つ会社のことです。この場合、再生プラスチックを使うかどうかの判断に関わることができません。そのため、通常の利用計画の作成が難しい場合があるとされています。こうしたケースでは、計画を策定できない事情を様式に記載します。あわせて、発注元企業名も記載します。この対応により、5年に1度の提出で、計画作成の義務を履行したとみなされます。

ガイドラインの仕組みと課題

こうした制度設計をめぐっては、実効性を疑問視する見方もあります。マスバランス方式は、第三者機関による認証取得が条件とされています。マスバランス方式とは、再生素材と新しい素材を混ぜて作る際の計算方法です。投入した再生素材の割合に応じて、再生素材を使ったとみなします。第三者機関とは、会社以外の中立的な機関のことです。ただし、利用率の目標値は、事業者自身が設定する仕組みです。国が一律の数値目標を課す規定は、原文には見当たりません。また、目標未達の場合も、理由を記載すれば足りるとされています。罰則についての記載も、原文中には見当たりません。このため、本ガイドラインは強制的な規制ではありません。むしろ、計画と報告を通じた可視化・自己目標管理の枠組みに近いといえます。なお、この見方は原文の記載内容に基づく、会の解釈です。経済産業省の公式見解ではありません。

今後のスケジュール

また、対象範囲や運用については、今後見直される可能性があります。市場環境や技術動向に応じて、経済産業省が公式な通知等を通じて周知する予定です。初回の計画提出期限は、2027年9月末日です。初回の定期報告期限は、2028年9月末日と定められています。対象となりうる事業者は、今後のスケジュールを確認しておくことが望まれます。

Q. 「再生プラスチック」とはどのような素材を指しますか? A. 再生プラスチックの原料は、大きく2種類に分けられます。

1つは、工場で製品を作る際に出る、まだ使われていない廃材です。これはプレコンシューマー材料と呼ばれます。

もう1つは、消費者が使い終わった製品やごみです。これはポストコンシューマー材料と呼ばれます。これらをリサイクルして作られたプラスチックが、再生プラスチックです。

リサイクルの方法にも、大きく2種類あります。プラスチックを溶かして新しい製品にする方法はマテリアルリサイクルです。一方、化学的に分解して原料に戻す方法はケミカルリサイクルと呼ばれます。

また、植物などの生物由来資源から作られたプラスチックも、一定の条件を満たせば再生プラスチックに含まれます。これをバイオマスプラスチックといいます。例えば、木質廃材や廃食用油を利用したバイオPEなどが該当します。

Q. すべてのプラスチック容器包装が対象になりますか? A. いいえ。飲食料品(PETボトルを除く)や医薬品、医療機器などに使われる容器包装は、対象から除外されるとしています。

経済産業省は2026年7月、新しいガイドラインを公表しました。対象は、プラスチック製容器包装の製造・販売事業者です。対象となるのは、年間生産量・輸入販売量が1万トンを超える事業者です。5年以内の利用目標の設定と、毎年の実績報告が求められます。初回提出の期限は、2027年9月末日です。国内の資源循環と脱炭素化を進めるための、制度的な枠組みといえます。今後の運用状況が注目されます。

再生プラスチックを使った製品や容器包装は、消費者にとっても身近な選択肢です。商品を選ぶ際に、再生素材の利用状況を意識してみる、という方法もあります。

【再生プラスチック】使用済みのプラスチック(プレコンシューマー材料やポストコンシューマー材料)を、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルによって再資源化したもの。

【プレコンシューマー材料】工場で製品を作る際に出る、まだ使われていない廃材のこと。

【ポストコンシューマー材料】消費者が使い終わった後に出る、使用済みの製品やごみのこと。

【マテリアルリサイクル】使用済みのプラスチックを溶かすなどして、そのままプラスチックとして再利用する方法。

【ケミカルリサイクル】使用済みのプラスチックを化学的に分解し、原料に戻してから再利用する方法。

【バイオマスプラスチック】植物や生物由来の資源から作られたプラスチックのこと。

【マスバランス方式】再生素材と新規素材を混合して製造する際に、投入した割合に応じて再生素材の利用量を割り当てる計算方式のこと。

【発表資料】

  • 経済産業省 資源循環経済課「再生プラスチックの利用計画の作成及び定期の報告に関するガイドライン【プラスチック製容器包装編】」(2026年7月)

https://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/law/02/youkihousou.pdf


本記事は原文の内容に基づき作成しています。制度の詳細な適用や個別の該当判断については、経済産業省の公式資料をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次